クメールシルク研究所を訪ねて

  • 2009.04.23 Thursday
  • 00:11
伝統の森にて 森本さんとプリンセスクメールシルク コレクション

カンボジアのシェムリアップにあるクメールシルク研究所を訪問。
昨年、青山での公演をうかがって以来、森本さんにお会いするのは二回目でした。
お話した印象は、とても穏やかで温かい雰囲気の方でした。
お忙しいにもかかわらず、私達が日本から訪れた機会をとても大切に対応してくださり、私達が知りたいと思っていたことをわかりやすくお話くださいました。
森本さんの応対、言語から、又実際に村や研究所の方たちとお逢いしたことから、ここにどんなに素晴らしい環境が育まれているかを感じとることが出来ました。

森本さんは、長老の協力を得ること、一緒に生活することなどによって、心を通わせ、伝統シルクの復活と共に人々の自立を実現されていました。
「伝統の森」では、今、2百人にもなる三世代の人々が、誇りを持ってシルクの仕事を柱に生活を営んでいます。

「工業が発展し均一化の進んだ日本では、B反と扱われる布ですよ。
でも、これは、手織り。
織る人一人一人、蚕一匹一匹、みんな違う。
二度と同じものは出来ないんです。
なのでうちにはサンプルはありません。
いかに均一なものを仕上げるかより、私達がいかにこの違いを理解できるかです。
21世紀はそういう時代です。」

森本さんのお話をうかがって、私達がシルク村を支援しながらも日本の市場を基準に考えていた事に気づかされました。

森本さんの作られているシルクは、5千年も前に作られていたという本物のクメールシルク。
私達が、支援しているのは、本物というには頼りないクメールシルク。

これからプルックルンテ村の人たちと私達が共に協働し作っていくシルクは、いかなるものか?
森本さんの造られた「伝統の森」を歩きながら、新しい方法を探そうとしている自分が居ました。
また、私が縫う服が一点一点みんな違うこともうれしく感じることが出来ました。

研究者である森本さんは、染色の作業工程を見学させていただいた時、私の質問に対して、「秘伝がところどころに沢山あるんですよ」と、嬉しそうにおっしゃいました。

そして、たずさわる経験者の感覚にまかせているので、灰やソープの分量も一律ではないともおっしゃいました。

また、土台になっているのは、土・農業であるということ。
森には、染色の材料になる木、蚕の餌になる木があり、食生活を支える食材、牛や鶏、井戸、電気までもありました。
スタッフに、日本人は一人も居らず、森本さんがカンボジアの人といかに深い信頼関係を築いてこられたのかがうかがえました。